部活も、バイトもない土曜の午後を1人で過ごすのは、酷く暇なことに気付いた。
普段だったら、いつものグループでどっか遊びに繰り出すんだろうけど
まずリキがバイトだからっつって即退散して行って。
五月女は、決算報告が近いとかどうとかで忙しいと言うから
コン詰めるなよ、と投げ掛ければいつものようにはにかみ笑顔を返して去って行く。
吉野は明日に吹奏楽のコンクールがあるから、これから半日缶詰だよ〜と濁して、
それでもやはり楽しそうに部室に向かっていった。
そいえば、前田さん見てないな、って言ってたら…清水は一体どっから情報集めてくるのか、
今日は先輩のはまってるゲームの新作発売日だから、ガッコ自体来てないんじゃねぇの?と返された。
じゃ、そういうお前は暇なのか、と聞けば、あーノーコメントーと申し訳程度に手を振って帰っていった。
…アイツ、実は彼女いるんじゃないかと、ずっと疑ってるんだけど…。
したら島田は、そーだ新作の服欲しかったんだ付き合ってよ♪…って、西野連れてさっさと行っちまった。
…聡いんだか鈍いんだか、わっかんねぇなァ…。
で、家でゴロゴロしてたらやっぱり暇そうに見えたのか、妹が構えと飛び付いて来た。
…テキトーに小学生のお遊びに付き合って、…でもつっまんなくて。
仕方ねぇ、ジョギングして来るからと何とか抜け出した。
いつものコースじゃすぐ帰るハメになっちまうから、迷い回れるくらい…
曲がる角を逆に行ってみたり、右折するはずの十字路は直進したり、裏道通って遠回りしてみたり、
とにかくいつもと違う道をいつもと違う何かを求めて、探して、ぶつかるのを待ってみた。
「……あれ?」
向こう側から走ってくる青年に見覚えがあった。
あちらも、自分に気付いて…同じような顔をしたので、やはり知ってる顔のようだ。
そうだ、確か…
「熱血の」
「あ…と、鷲尾…さん?」
おや、一発で出てきますか。
自分もそれなりに、人との付き合いというもののために名前と顔は忘れないように
心掛けているつもりだが。
ええと…熱血の1年生で、確か、た、タカ…
「峰!」
そう、タカミネ君だ。
後ろから走ってくる少年が彼をそう呼んだ。ああ、この子も見覚えある。
センターやってた、バントうまかった。一条君、だ。
「おせぇよハヤトー」
やっと追いついた、ちょっとタンマ休ませろと、息せき切らして声も出ないようだが
身振り手振りだけで十分伝わった。
「あ、…チヮ」
「ちうーッス」
硬い…小さい声と仕草、防衛線張られてるらしい。ならばこちらは極軽く、挨拶程度に留める。
2人して背負って、小脇に抱えてるのは見るからに重そうな新聞の束。夕刊配達か。
「バイト?」
「ええ、それとコイツの体力作り兼ねて」
小突かれた”コイツ”があからさまに嫌そうな顔をする。
そうだ、足は速くて身体も小さいからすばしっこかったけど、体力とパワー不足な印象を受けたっけ。
「…っるさいヨ」
「アハハ」
そうか、こっちの子は何度か試合という形で面識あるけど、
彼は運動会で見掛けてただけで直接相対してもいない。
先の野球の時もベンチにいたんだっけ…。
そっちは、と聞かれたので、いやヒマだから走りに出てきただけ、と答えると、
「え、部活忙しいんじゃないんスか」
「え。え、と…今日は休養日なだけ…ちゅーかなんでンなこと知ってる、の?」
「七瀬さんから聞いた…からえと、五月女さん?あの人経由かな?」
返ってきた言葉に、内心結構驚かされた。
恥を忍んで出戻りしたのは、かの野球大会が終わってからだ。
「…んなこと言ってた?」
「お前は人の話なんて右から左だからだろ…」
…足して2で割ったら丁度いいんだろうな、2人の遣り取りを聞いててそう思った。
仲良いんだな、沸々と笑みが零れた。
「っと、スンマセン、そろそろ行かなきゃ」
「ああ、そうだね悪かったね仕事中」
「いーえおかまいなくー」
それじゃあ、と軽く会釈して通り過ぎる所を、
「あ、ミネ君」
呼び止めて、
一言だけ。
「君も柔道、頑張って」
ほっ、ほっ、とどっかワザとらしく息吐きながら走り去ってくのを、
ついジト目で追ってしまってましたー…。
…こっちもそれらしい情報流した記憶、全くないんですがねー…
「…アノヒトもなーんか、ヒトのこと言えるようでないと思うんだけどなぁ」
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鷹峰は熱血1年の中心的(?)存在ですよね。
ゲーム中の印象は他に比べると地味でちょっと薄れるけども、
キャラ設定(やそれに基づく性格)はとても魅力。
この2人似てないけど、近いと思ってます。
翼々、で用心深いとかいう意味。
鷲と鷹、どちらも雄々しい鳥。
それでいて両者、人との関係や距離とかに慎重で手堅く生きてる
感じがします…妄想でしかないのですがねっ。
ちょっと突発仕上げなのでレイアウト考えるのはまた今度、
とりあえず適当な中央寄せ;
改装等々して、年明けて手が空いてからになりそうですが。